小学生の忘れものに対し叱るか諦めるか
努力するか?
忘れ物が多いお子さんが気になりますか?
しかし、気になっているのはあなただけで、
意外にお子さんはあっけらかんとしているの
ではないでしょうか?
そもそも、お子さん自身が「気になってい
る」のであれば、忘れ物は少ないはずです。
そして。そもそも、「多くの子どもは忘れ物
をするもの」です。学校を出た途端、あるい
は家に帰った途端、すでに子どもの関心は学
校のこと以外のところに飛んでいるのが子ど
もらしい子どもと言えるのです。
なので、大人のあなた自身がまず子どもの忘
れ物のことでイライラすることを止めるべき
です。
好き好んで忘れ物をしたわけではないのに、
厳しく、あるいは口うるさく責め立てられた
ら、お子さんは徐々に自尊感情を失っていき、
自信を無くし、自立が遠のいていきます。
また、朝から晩まで目の前で「早く~しなさ
い」とか「~しちゃいけません」などと細々
と言われ続けていると、馬耳東風、人の話を
聞き流す癖がついてしまうでしょう。話は一
度だけ、大事な話でも一度繰り返すだけ、く
らいにしておきましょう。
そもそも、一二度言って実行できないという
ことは、あなたの言うことが聞こえないので
はなく(稀にそういうこともあるでしょう)、
聞こうとする構えができていないか、「理
解」できないわけです。
「構え」の問題は、人間、自分を否定する
人・認めない人(分かりやすく言えば、ほめ
てくれない人)の話は受け入れないものです。
また、理解できるようにするには、別の言葉
に置き換えるなり、それなりのあなたの努力
が必要になってきます。
小学生の忘れ物は成長のチャンスととらえよう
がみがみと叱って子どもの自信を失くさせる
ことになるくらいなら、「こんなもんだ」諦
めることも大事です。しかし、小学生時代に
諦めてしまってはちょっと早すぎます。あき
らめずに、親子ともども努力する道を選びま
しょう。
小学生は忘れ物を減らす努力で学力向上
「忘れ物を減らそうとする努力が学力向上に
もつながる」という研究があるそうです。
例えば、具体的には、持ち物をしっかり確認
する習慣が身につくことで、テストのときに
も「最後に答えをみなおしておこう」という
行動につながるのです。また、大切なことを
簡潔に整理してメモして記憶したり、物事を
見通してシミュレーションする想像力も身に
つくはずです。
小学生の忘れ物防止のためのステップ
1.連絡帳にきちんとメモする
先生が板書した事項は当然として、気づい
たときに書き留める自分だけのメモも大事
です。きちんと書いたかどうか、ランドセ
ルにし まったかどうか教師はチェックし
なければなりません。
2.家に帰ってきたら連絡帳を見ながら翌日の準備をする
なので、「連絡帳を忘れない」ことが最も重要と言えます。
そして、家に帰ったらなにか他のことを始め
る前に、カバンの中の物を全部出して、改め
て連絡帳を見ながら明日の物を詰めるべきで
す。これは、帰宅時に大人がいる場合は、見
守るか結果をチェックすべきです。
もちろん、先に宿題をしてから明日の物に詰
めなおしてもよいでしょう。いずれにしても、
おやつを食べたり、遊んだりするのはそれが
済んでからにするという習慣を早い時期に身
につけるようにしましょう。
ここで注意すべきことは、親が代わりにやっ
てしまわないことです。時間がかかっても自
分でしないと、忘れた理由を親のせいにする
ことになり、いつになっても自立できません。
もし、親など家族の大人で子どもよりも帰宅
が早い者がいない場合は、帰宅後必ず連絡帳
と照らし合わせながらチェックをすべきです。
もちろん、当然ながら習慣が身についていて
忘れ物などめったにない場合はそんな必要は
ありません。
3.忘れやすいものや重要なものは前日のうち
に玄関に置いておく
4.朝もう一度持ち物を点検する
それができるくらいの余裕が欲しいですね。
小学生の忘れ物、届けるべきか否か?
まず、忘れ物に最初に気づいたのがだれなの
かということです。
一番好いのは、本人が気づくことです。大い
にほめてあげましょう。
ところで、どこで気づきどのように連絡して
きたのでしょうか。通常小学生は携帯電話は
持ちませんから、学校の電話を借りて連絡し
てきたかもしれません。その場合は、すぐに
届けてやりたいですね。また、それが教師の
指示だった場合も仕方ないですね。
登校途中に慌てて走って戻ってくるのは危険
なので、そんな必要はないことを教えておき
ましょう。
問題は、本人も教師も気づかない(あるいは、
気づいていても連絡しない)ということがあ
ります。その場合、先回りして家族のものが
届けるということは良いことではありません。
もちろん、学校としてはわざわざ届けに来た
人に対して礼を尽くすでしょうが、余程重要
なものでない限り教育的とは言えないでしょ
う。教師も気づいていながらあえて連絡しな
いかもしれませんし、子どもも気を使って気
づかないふりをしてるかもしれないのです。
直ちに一方的に届けるということでなく、学
校や本人から何も連絡がなければ行動に移さ
ないことです。その結果、「忘れ物をすると
自分が困るといった経験」をすることができ
るのです。
ただし、そのまま放っておくことも問題です。
子どもが帰宅したら、忘れ物をしてどう対処
したのか経緯を聞いてあげましょう。
一日つらい気持ちでいたかもしれませんし、
体操着を忘れて授業に参加できなかったかも
しれません。その時の気持ちを聴いて寄り添
い、前向きに今後の対策を親子で考えましょ
う。
忘れ物の常習の小学生への接し方
しょっちゅう忘れ物をしているお子さんは、
滅多にほめられることがありません。もしか
すると、叱られてばかりかもしれませんね。
こういうお子さんには、何も忘れ物をせずに
過ごせた日は、「今日は忘れ物しなかった
ね」とおおいにほめてほめてほめ倒しましょ
う。マイナスが0になることも大いなる前進
なのですから、認められた子どもはさらに伸
びようとするでしょう。これは、当然ほかの
能力慎重にも波及していくはずです。