投資の秘訣をアンソニー・ロビンズに学ぶ
著書「揺るがない力」が教えること
本書は、単なる「投資成功術」について書かれた本ではありません。著者自身が最後に明かしているように、本書のタイトル「UNSHAKABLE」の意味が実は著者の投資哲学をシンプルに表現したものであったことに気づきます。
すなわち、たとえ大金持ちになっても本人自身の幸福感が獲得されていなければ決して投資は「成功した」とは言えないのであると。
その意味で、投資術を単に「知る」だけでなく「実践して成功を勝ち取る」までの文字通り「揺るがない」メンタルこそが基盤となってなければならないのです。
投資の4大原則
そんなことは、ある程度投資を経験した者であるならば分かっていることとも言えましょう。
しかし、あなたがいまだ投資に成功したと言える段階になっていないとすれば、真に分かっているとは言えないのです。
それはそれとして、やはり知りたいのは具体的な知識ですね。
アンソニー ロビンズは、偉大な投資家たちへのインタビューから導き出した共通の大原則を4つにまとめました。
大原則1は、「損失を出さない」 大原則2は、「ローリスク・ハイリターンを目指す」 大原則3は、「節税効果を考慮する」 大原則4は、「分散投資する」 |
私にとっては、2番目を除けばすべてこれまでにどこかで聞いた「原則」でしたが、さすが具体的な大投資家の名前を挙げて、直に聞き出しただけあって、その重みを感じます。
リスクについては、「ローリスク・ローリターン」か「ハイリスク・ハイリターン」しかないと思っていましたが、結局は大原則1に収れんされてくるんだなと思いました。
恐怖に打ち克つことが勇気
著者は、株のブローカーなどが盛んに売ろうとするアクティブファンドなどには手を出すなと言います。手数料ばかり取られたうえ、儲かる商品はごく一部だと言います。
アメリカの金融商品と日本とではやや違いがあると思いますが、かつて私も投資信託で失敗したときに同様な感想を抱きました。
例えば、アメリカで販売している金融商品を日本の大手証券会社が日本国内で販売し、さらにそれを銀行が顧客に売るというスタイルが一般的ですが、結局3重にも手数料がかかっているわけです。
インデックスファンド中心に投資せよ
著者は、ローリスクで低コストのインデックスファンドを中心に投資するのが賢いやり方だと、本書の各所で説いていました。
企業の偏りがないですから、最も安全と言えるでしょう。長期で見れば、必ず右肩上がりになっています。
特に、資本主義の中心であるアメリカでは間違いなく右肩上がりです。なので、S&P500を奨めているわけですね。
残念ながら、かなり長い間低迷を続けている日本株の場合はそれが当てはまらないと言えるでしょうが。
右肩上がりにも調整と下落期はある
ところが、一般的に人間というものは冷静なメンタルを保てないのが普通です。
およそ1年に1回の調整とおよそ3年に1回の下落期が来た時、パニックになって持ち株を売って大損したと思ったら、数日後あるいは数か月後に株価は回復したという経験をするわけです。
この辺は、経験者としては苦い思い出になっています。もう、永遠に下がり続けるのではないかという恐怖感に襲われてしまうのですね。
その恐怖感に克ってこそ、真の勇気と言えるのだというわけですね。
大投資家は下落した時を待っている
賢い投資家、即ち調整と下落時が周期的にやってくると知っている投資家は、むしろこのチャンスを待っているのです。
人々が株価上昇時に報道やセールスマンに乗せられて買っているのを横目で見て、「大暴落」と皆が意気消沈しているときこそ「安値で買える」とほくそ笑んでいるのが大投資家なのです。
我らもこれを学ばなければなりません。
恐怖に打ち克つためには?
恐怖に打ち克つ勇気がなければ投資での成功者にはなれないという結論から、本書の最終章では、精神論のようなものになっています。
曰く、「ネガティブ志向をコントロールしよう」。また、ジョン・テンプルトン卿の言葉を引用して、「恐怖に打ち克つ最善の策は、心から感謝することだ」
そのための、「90秒ルール」や瞑想を奨めています。
まとめ
- 投資の大原則は「「損失を出さないこと」
- ポートフォリオの中心にインデックスフ
ァンド(S&P500)を据える。 - 株価の周期(調整、下落期)を弁えて売買する。
- 恐怖に打ち克つメンタルを持つ。
詳細は、本書に目を通してください。
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