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自殺から子どもたちを守る方法はこれです

子どもたちを自殺から守る方法

国の統計によると,小中学生の自殺
の大きな原因が「家庭問題」である
との報告があります。

私が小学校の学級担任だった頃,
無理心中のニュースを聞いて,子ど
もたちに「たとえ親に死のうと言わ
れても,逃げるんだよ。」と懸命に
指導したことを思い出します。

今の時代,自ら死を選ぶ小学生がい
ると聞くと,何ともやりきれない思
いに襲われてしまいます。

自殺へ誘うメンタル

精神的な病が疑われたら,周囲の者
が病院に連れて行くべきでしょう。

しかし,体にその変調が表れていれ
ばよいのですが,周りのものには気
づきにくい場合もあります。

本サイトでは,その気づきにくいメ
ンタル面について考えたいと思いま
す。

自殺志向の始まりはネガティブ発言

生まれつきの性格もあるでしょう,
または育った環境もあるでしょう。
ネガティブな言葉の多い人は,危険
です。

人に対してネガティブ発言を多用す
る人自身は,都合の悪いことは何で
も人のせいにするわけですから,
即ち,自分を守るための行動ですか
ら,自殺の心配はないと思います。

(しかし,それが理由となって孤立
する場合は,その性格に誰かが気づ
かせてやる必要があるでしょう。)

問題は,自分に対してネガティブに
なる人です。即ち,自信が持てない
,自尊感情が持てない人です。

ある方が,「一番好きな人は誰?」
と訊かれたら「自分!」と答えられ
る人が多い日本にしたいと言ってい
ましたが,それほど日本人には自尊
感情(自己肯定感)の低い人が多い
のです。

視点を変えれば,謙遜または他人思
いという美徳ともいえるでしょうが
,自尊感情は生き抜くためには必須
の心であると言えます。

自尊感情を持つための条件

1.他者からの共感

自尊感情を持つための第一歩は,だ
れかから共感(受容)されることで
す。本人の気持ちに寄り添える人が
必要です。

子どもであれば,身近な家族か友だ
ちか担任教師が望ましいでしょう
が,そういう人に恵まれない場合は
だれでもいいのです。

よく,自殺直前に見知らぬ人に声を
かけられて,思いとどまったという
ことを聞きます。

ただし,受容と言ってもネガティブ
思考に共感しっぱなしではいけませ
ん。本人の良いところに目を向けさ
せて,最後にはポジティブになるよ
うに誘導する必要があります。

それも難しいことではありません。
基本,どこまでも聞き役(傾聴)
なってやれればいいのです。

2.強い目的意識

他者からの共感などなくても,強い
人間は生き延びていきます。

自殺防止など,なぜ懸命になるので
しょうか。

ひとつには,私のように純粋な動機
,すなわち他者の命もわたし自身の
命も同等に尊いという信条から行動
を起こしています。

しかし,行政からすれば,人口減少
(少子化)のスピードを緩めたいと
いう発想があると思います。

弱肉強食の社会原理では,自殺はむ
しろ自然現象ともいえたでしょう。

なので,自分自身が「食う」ために
は,家族を養っていくためには,ネ
ガティブな考えなど持っていては生
き抜くことができなかったわけです。

ハングリー精神という言葉があるよ
うに,そういう境遇にある人は,た
とえどんな苦難に遭おうと,乗り越
えていけたわけです。

現代日本の状況で考えても,やはり
強い目的意識を持って生きる人はポ
ジティブ思考の人なのです。

 

自殺に向かわせない2つのメンタル

1.世にはびこる天国思想撃て!


私は,子どもに限らず人が自殺と
いう解決法を選ぶ背景には,「死ね
ば楽になる」「死ねば天国に行ける
」という思想があると思っています。

この考えは,今や社会通念と言って
もいいほどほとんどの人が何気なく
言う決まり文句のようになっていま
す。

この無自覚に人々にしみこんでいる
思想が実は怖いのです。無自覚なの
で,多くの人が気づいていません。

この思想は,権力側に巧みに利用さ
れてきました。ときには,戦争で戦
って喜んで命を投げ出せるように。
ときには,宗教指導者が(宗教)戦
争で戦う兵士が喜んで自爆できるよ
うに。等々。

そのため,今でもニュースで悲惨な
死を伝えた後には,「天国に行きま
した。」と報ずるのです。

伝える側は無自覚にそのように言う
のですが,実はこれが人々の間に
「そうか,死ねば天国に行けるんだ
・・。」という思想を定着・増幅さ
せることになります。

確かに,国を守るため,他人を救う
ための尊い行動の結果,来世天国や
極楽に行けることもあるでしょう。

しかし,それはごくまれなことと思
います。

お釈迦様は,因果応報というように
,苦しみの中で死を迎えたものは地
獄と言っています。また「怒るは地
獄」とも。

「死ねば,天国」という考えは,キ
リスト教の間違った考えです。磔で
苦悶の中で死んでいった者が天国で
あるはずがありません。

「死ねば,極楽」という考えは,念
仏の間違った考えです。それが証拠
に念仏宗の開祖善導は極楽を夢見て
首をつったが失敗して苦悶のうちに
死んでいったと記録が残っています。

なので,子どものうちに,「行き詰
まったら死ねば楽になる」という発
想を持たせない教育が重要と思いま
す。

2.自尊感情の輪を広げよう

自尊感情(自己肯定感)を子どもの
ころから育むことが重要です。

令和2年度から「生きる力」と銘打た
れた新学習指導要領が実施されるこ
とになっています。とりわけ道徳は
,「特別の教科」として一層重視さ
れることになります。

実は,これまでも学校では道徳教育
を通して「生きる力」すなわち,
自尊感情や命の尊さを育んできた
はずです。

しかし,多くは掛け声だけの道徳教
育だったのではないでしょうか。

それは,教える側自身が自尊感情や
命の尊さを感ずることが不十分とも
言えるからです。

私は,自尊感情を育むことは,愛国
心を育むことにも通じていると思い
ます。

戦後日本では,愛国心というと何か
悪い心のように思わされてきました。

しかし,「国を愛せない→地域社会を
愛せない→家族を愛せない→自分を
愛せない」という図式が成り立って
しまうのではないでしょうか。

ましてや,地球も,この世も愛せな
くなってしまうのではないでしょう
か。

わたし自身も,あなたも,そしてす
べての命が互いに愛おしい世界を生
き抜いていくことが,生まれてきた
ことの,そして生き抜いていくこと
の意味ではないでしょうか。

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