親や家族の突然の死に直面し、悲しみにくれながらも葬儀や多くの手続きに戸惑う方も多くいると思います。
仏式?神式?キリスト教式?無宗教?
しかも突然の訃報にその費用の工面が難しいと感じる方もいるのではないでしょうか?
葬儀の段取りや費用、納骨まで詳しく疑問にお応えします。
葬儀の流れ
昔と異なり、自宅で葬儀を行うことが極めて少なくなった現代では、家族が亡くなるとさっそく葬儀社を決めてその段取りを葬儀社と逐一決めていくことが多くなっています。
宗教などによって儀式の方法は異なりますが、親族が亡くなった瞬間から行わなければならない様々な取り決めがあります。
その流れを詳しく説明します。
危篤・臨終から逝去時ケアまで
病院に入院中に危篤・臨終に死亡となった場合は医師により死亡確認・診断書の受理が行われます。
自宅療養中の場合かかりつけ医に連絡し、死亡確認をしてもらい死亡診断書を書いてもらいます。
まかり間違って、昨日までは元気なのに自宅で急死などがあった場合、警察の検視があります。
事件の可能性もあるため、警察による鑑識と遺体の解剖・検死が行われ、死亡診断書ではなく死体検案書を渡されます。
病院で亡くなった場合は死後の処置や保清、メイクなど逝去時ケア(エンゼルケア)は病院で行ってくれます。
病院以外の場合この後葬儀社が代行します。
葬儀社を決める
ご家族が亡くなった後、数時間の間に葬儀社を決定しなければなりません。
あらかじめ葬儀社の会員や互助会に入っている場合は、そちらに連絡しましょう。
しかし何も準備がない場合、入院していた病院の紹介や近隣の大手に連絡することが多くなります。
両親が高齢などの場合、あらかじめ数社を見積もって、会員になっておくと慌てずに対応することができます。
葬儀の段取り
葬儀社を決定した後の、一般的な葬儀の流れは以下のようになります。
一般葬で行うのか、簡易の家族葬や1日葬、火葬葬などで行うなどまずは相談しましょう。
菩提寺がある場合は、菩提寺に連絡を入れ、葬儀の段取りを相談します。
- 喪主を決める
- 宗教・宗派を確認し、菩提寺への連絡
- 葬儀の予算を立てる
セット費用・・・祭壇や棺、骨壺など
飲食代・・・通夜振る舞いや精進落とし
返礼品・・・葬儀の会葬者に香典と引き換えにお渡しする返礼品
菩提寺への布施額・・・戒名の文字数などによって決まることが多い
- 葬儀の種類を決める
・一般葬
・家族葬
・一日葬
・火葬葬(直葬)
- 葬儀の日程・・・遺族の都合だけでなく、菩提寺の都合、葬儀会場や火葬場の空いている日を考慮する必要があります
- 葬儀のプランの決定・・・葬儀の種類の他に祭壇や棺骨壺のランク、湯灌やエンバーミングの有無の確認
- 料理や返礼品の決定・・・通夜振る舞いや精進落としの料理など平均1人5,000円、返礼品の相場は500~1000円程度となっています。
最近は料理の振る舞いなどは行わず、持ち帰り用の食事を用意する場合も多くなっています。
- 通夜~葬儀・告別式~火葬 の参加者の概算
- 参列者への連絡
- 湯灌・納棺・・・納棺時、かつては死に装束などと言われ、着物やわらじ、六文銭などを身に付けたものですが、故人の普段身に付けていた衣装などを選ぶこともできます。
- 葬儀・告別式
- 出棺・火葬・埋葬
葬儀を安く執り行うには?おすすめの紹介
関東地方での葬儀にかかる平均価格は190万円とも言われています。
故人が貯金を残してくれていた場合は、何ら問題はありませんが親族の突然の死にいきなりの出費はなかなか難しいものがあります。
そこで故人をきちんと弔いつつ、費用を抑えた葬儀をご紹介します。
家族葬の費用
昨今一般葬と同じぐらいの割合で、この家族葬を行う方が増えています。
葬儀の手順は一般葬と変わりませんが、一般の会葬者を募らないために、セレモニーホールの規模が小さく済み利用料が安くなります。
また祭壇も大きなものにする必要がなく、返礼品や挨拶状にかかる費用なども節約できます。
1日葬の費用
前日からの葬儀会場の準備などもあるために会場費は、一般葬とあまり変わりません。
通夜を行わないために、通夜振る舞いの飲食代は節約できます。
また一般的に、小規模な葬儀となるために参列者の数も減るので令状や香典返し、返礼品の費用を抑えることができます。
火葬葬(直葬)の費用
お通夜や葬儀・告別式を執り行わない葬儀形態です。
故人とのお別れは火葬場の火葬炉の前で簡単に行われるのが一般的です。
かつては、経済的に余裕がない人が行うとされていましたが、コロナ禍に伴い、人があまり集わないことが望ましいとの風潮もあり、ネットでも広く紹介されて認知度は上がってきています。
葬儀の形態としては、セレモニーを行わないため一番安価に執り行うことができます。
樹木葬の費用
樹木葬という名前ですが、葬儀の種類ではありません。
納骨する形態を表す言葉なので、次章で詳しく説明します。
樹木葬とは?その葬儀の形態とかかる費用の解説
最近話題の樹木葬を解説します。
菩提寺を持たず、宗教を意識しない無宗教での葬儀の場合、檀家としてのしばりがないために、自由に葬儀を執り行え、埋葬までの費用もかなり安価でできる可能性があります。
故人一人、もしくは配偶者や家族4人までのみ、決まった敷地などに永代供養(霊園によっては永代管理料込み)で弔うことができます。
樹木葬とは?
樹木葬とは、墓石の代わりに樹木や草花を墓標とするお墓と言われていますが、特に決まりはなく、以下のようなものでも樹木葬と呼ばれています。
・シンボルツリーがあり、個人のスペースの記名されたプレートの下に埋葬する場合と合同葬の場合など方法は様々
・樹木や花の指定、植えられる場所も多岐
・ロッカー式の場合もある
・墓石を置く場合もある
・土に帰る骨壺や骨袋を使用する場合とそうでない場合がある
樹木葬のメリット
樹木葬で埋葬を行うメリットを説明します。
葬儀を好きに執り行えてお布施の必要がない
無宗教で葬儀を執り行う場合限定となりますが、
僧侶にお経をあげていただく必要がないために、葬儀は短時間で行われます。
セレモニーの時間は家族の好きに使えるため、お別れの会を家族の流儀で行うことができます。
故人は戒名によって、お位牌を作成する必要がないため、無宗教での葬儀の場合、この費用は発生しません。
費用が安い
樹木葬は施設によってことなりますが、一般的に以下の費用が安くなることが多いです。
・実名で葬儀を行うため、戒名代が発生しない
・永代供養や永代管理料を契約時に支払う施設も多く、毎年の支払いがいらない
・法要はまとめて施設が行い、その様子を配信してくれる場合もあり、帰省する必要がない
プレートのデザインは比較的好きなものが選べる
区画と使用箇所が決まった樹木葬の場合(ロッカー式の納骨堂などは異なる場合もある)、プレートに故人の実名とイラストなどを刻むことができます。
故人が好きだった言葉や好きな花、動物などをプレートに刻めます。
樹木葬のデメリット
樹木葬のデメリットは以下のようなものがあげられます。
・樹木葬には詳しい決まりがない
霊園などによって価格・埋葬の仕方・管理費用が異なるので、よく調べらないといけない
・故人が眠る区画が通り道から遠くなるとお参りで近づくことができない。
・献花台や線香をあげる箇所が全体で一か所しかない
個人的にお参りした感じが得られない
まとめ
いかがでしたでしょうか?
核家族化、コロナ禍など様々な理由でお葬式が小規模となっている昨今です。
菩提寺があっても、少子化で後々お墓をついでくれる親族がいない、実家が遠くてお墓参りができない、子どもに迷惑をかけたくないなど、様々な理由で墓じまいをする方も増えているようです。
死は誰にでも訪れるものです。
生前に自分が亡くなった後、どのようなお葬式や弔い方をしてもらいたいのか、予算をどのくらいかけるのかを家族と話し合っておくのも大切なことだと思います。
是非今回の記事を参考になさっていただけたらと思います。