葬儀日程表:近親者の死後すぐにすべきこと
簡単にまとめると、以下の通りです。
- 臨終、死亡診断書・死亡届
- 遺体安置(搬送)
- 縁故への連絡
- 通夜、葬儀の決定、連絡
- (枕経、通夜式)
- (葬儀・告別式)
- 火葬許可証、火葬
- 埋葬許可証、納骨
臨終と死亡診断書・死亡届
まず、臨終の場所が問題になります。理想的には息を引き取る直前から故人と接することができればいいのですが、なかなかドラマのようにはいきません。
病院や施設ならば、慣れた職員により粛々と進められますので、それに従っていけばよいのですが、自宅の場合はそうはいきません。
私の父の場合は、駆け付けた私は父の死を認めたくなかったというかまだ一縷の蘇生の希望もあったので、救急車を呼びました。
すると、救急の職員は死亡を判断した後、警察を呼びました。これは、自宅での死亡の場合は事件性がないかを警察が調べることになっているんですね。なので、母も私
も取り調べを受ける形になりました。
悲しんでいる暇などありませんでしたね。ある意味疑いをかけられているんですから。その意味では、救急車よりも主治医を呼ぶ方が良かったのかもしれません。(母は
「電話で呼んだんだけど・・。」と言ってましたが。)
死亡届は7日以内に出す
これを守らないと罪に問われます。
死亡届は、死亡診断書とセットになっていますので、順番から言うと医師に死亡診断書を書いていただくことが、死後最初にやってもらうことというわけです。
そして、遺体をいつまでもそのままにしておくわけにはいきません。最悪の場合、死体遺棄罪ということになってしまいます。
遺体を安置する(搬送)
自宅であれば、当座そのままにしておけますが、病院や施設ではなるべく早く遺体を移動することが常識でしょう。
そうなると、火葬実施までどこに安置するかという話になります。
ここで、次のいずれかの選択が迫られます。
- 自宅など個人のゆかりの場所に搬送
- 葬祭場に搬送
- 火葬場に搬送
いずれも、業者が早急に対処してくれます。私の体験で言えば、生後3日で亡くなった子どもは自分でタオルに包んで抱いて自宅に運びました。施設で夜亡くなった母の場
合は、業者に頼んで翌朝自宅に搬送してもらいました。
しかし、葬儀費用がないとか葬儀に参列する人もいないという場合は火葬場に直行ということもできます。そういうケースに立ち会ったこともあります。
通夜・葬儀の決定と縁故への連絡
遺体が安置されたら、すぐにすべきは連絡です。故人への想いはそれぞれですが、中には一刻でも早く駆け付けて個人に対面したい人もいます。近親者は当然ながら親戚
でなくても早く知らせた方がいい場合もあります。
私は、葬儀の時にお顔を拝見すればいいと思い、すぐに駆け付けないで後悔したことがあります。先に火葬をしてからの葬儀だったのです。
こういう私のような者のために、できれば荼毘に付す(火葬)のは葬儀の後にしたいものです。
しかし、通夜・葬儀の日程は、僧侶(仏式の場合)と火葬場の都合で決まるのが普通と思います。
なので、連絡は遺体安置直後と葬儀日程決定後の2度した方がよい相手もいると思います。
それでは、お急ぎならこの後は近親者への連絡が済んでからお読みください。
葬儀形式をどうするのがいいのか
できれば、事前から考えておくべきことですが、突然の場合悩んでしまいますね。
しかし、あなたが何を重視するかで自然と決まってきます。
重視すべきポイントは次の3点でしょう。
- 宗教
- 人のつながり(義理)
- 費用
あなたが宗教第一に重視する場合は、葬儀を主宰する僧侶なりと連絡を取って進めればよいでしょう。(ちなみに、わたしの場合は、こちらを参考にしてください。)
世間の多くは、義理と費用で考えると思いますが、その前に葬儀の意味をあらためて考えてみるのもいいかと思います。
葬儀とは何だ?葬儀の意味を問い直す
人が亡くなると葬式をあげるのは当然ですが、本来葬式は多くが共同体で行ってきたこともあり、前例に従い共同体内の予め決められている役割分担に従って粛々と進め
られてきました。
ところが、近年核家族化等によりこうした風習が崩れてきたために、あらためて葬儀の意味が問い直されているのではないでしょうか。
葬儀は人として当然の行為
近親者が亡くなると誰でもパニック状態になるでしょう。本人は冷静のつもりでも、実は、頭の中は個人への想いと葬儀をきちんと進めようという思いで一杯になってい
ますので、何が大切なことなのかということも見失いがちです。
そこで、あらためて確認しておきたい大切なことは、次の二つのことではないでしょうか。
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このことさえ忘れなければ、細かいことなどどうでもよいと思われます。例えば、参列者の席順とか、返礼品を何にするかとか、食事をどうするかとかは二の次とも言える
のです。
極端な話、故人に会わせたい人に火葬の場所・日時を連絡し、来てもらい、心込めて合掌して荼毘に付す、それだけでいいわけです。
これが、故人の生前の付き合いが広かったり、親戚付き合いを重視する場合はそうは簡単には済ませることができませんので、葬儀会社の助けが必要になってくるでしょ
う。
仏式の葬儀日程
それでは、日本人の多くが採用してきた仏式の葬儀についてまとめたいと思います。
枕経
これは、本来臨終を迎えるときに枕元でお経をあげて間違いなく成仏へと至ることができるようにすることです。したがって、理想的には臨終を自覚した本人がお経を唱
えることが良いのですが、それは現実に極めてまれなこととも言えます。
実際に行うとすれば、今はの際に菩提寺の僧侶を呼んで御僧侶とともに近親者で御経をあげます。信仰心の篤い本人と家族という条件がそろえば可能です。
現実には、死後となってしまってからお寺にお願いすることがほとんどなので、これは省くことが通例でしょう。
通夜式
通夜は、故人を葬る前に親族や知人が文字通り「夜通し」で死者を守り冥福を祈ることることです。
法律では死後24時間は遺体をそのままにしておかなければなりませんので、現実には火葬の前夜の儀式になります。
通夜はまた、お釈迦様のときから故人を偲んで残されたものが思い出等を語り合うという意義もあります。午後6時とか7時から1時間程度の通夜式が行われた後、近親
者が夕食を兼ねて食事をするのが普通です。
葬儀・告別式
葬儀と告別式は同じ意味と捉えて問題ありませんが、本来は宗教的な儀式としての葬儀と宗教上の意味のない故人とのお別れ式という意味での告別式は分けて進める場合
もあります。
葬儀は、当然ながら故人の冥福を祈って死者を葬る儀式ですので、本来埋葬するまでの儀式の一切を含みます。
分けて言えば、「葬式→荼毘(火葬場)→納骨」ということになります。これを一日で挙行する場合もありますが、35日か49日かけて行うことが多いようです。
近年多く見かける形は、葬式の日に繰り上げて初七日忌法要を行う例です。同日、七七忌(49日)法要も繰り上げて行う例も
あります。
火葬
火葬は、文字通り遺体を焼いて葬ることです。仏教では荼毘(ダビ:梵語)と言って火葬が原則ですが、昔火葬には費用が掛かるということもあり一般民は土葬も多く行
われていました。近年は衛生上等の要請もあり公的な火葬の体制が整ってきましたので、土葬の風習はあまり残っていません。
火葬をするには、火葬許可証が必要になります。
遺体を焼き上げるまでには1時間程度時間がかかりますので、待つ間昼食やお茶菓子程度の物をふるまったりします。
埋葬・納骨
埋葬は死者を埋めて葬ることです。埋めると言っても、荼毘に付して残ったものは骨だけですから、「納骨」とイコールとも言えます。
現代では納骨には様々な形式がありますが、通常はお墓に納骨します。このとき、埋葬許可証が必要になります。また、墓地に墓石を立てた墓ではなく、お寺の納骨堂やビ
ルの中にある納骨施設も同様に許可証が必要になります。
シンプルでリーズナブルな葬儀
さて、最近の葬祭におけるニーズで多いのは「シンプルとリーズナブル」ではないでしょうか。
少し前までは、悲しみの淵にある遺族の足元を見て、法外な金額の葬儀費用を業者に支払う羽目になってしまったという話をよく聞いたものです。
最近は、団塊の世代で最期を迎える人が出始めて、葬祭業界も新規参入者が増えて競争が激しくなり、どこの業者もあこぎな商法はできなくなってきています。それでも、
通常は100万円以上の予算が必要になってくるのが現状です。
そこを抑えるには、実を取ってシンプルな葬儀にすることによって可能になります。
シンプルでリーズナブルなおすすめ葬儀例
葬儀は火葬場のみで行う
業者の持つ葬儀会場で葬儀を行って、その後火葬場へ移動するとなると、時間も費用も倍かかると言ってもよいでしょう。
そこで、移動せずに済む火葬場併設の式場で葬儀を行うようにするのです。
火葬場は公的施設ですから併設される施設の使用料も格安です。最近リニューアルした火葬場にはほとんどのところに備えられています。
また、最近は葬儀コーディネーターのような業者が数多くあり、彼らに依頼すれば遺体の搬送から準備品まで手配してもらえます。
通夜を省いて本葬のみにする
最も簡単な葬儀は、火葬のみです。即ち式場も借りないで、遺体を焼いてお骨にしてもらうだけということです。しかし、それではあまりにも人間らしさが欠けてしまい
ます。
そこまでいかなくても、通夜を省いたり食事をふるまうことを省くことはできます。
また、「冥福を祈る」という儀式では、普段は宗教心のない人でも葬儀の時は僧侶に頼りたくなるというのが人情でしょう。
また、そこに付け込んで多額の「お布施」を要求する業者や僧侶も多いのが現状です。それならばということで、無宗教での形式もありますが実に味気ない式になってしま
います。
本当の意味で金儲けでないお寺はあります。ただし、信仰心だけは必要ですが。
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