パリ五輪柔道女子52キロ級で、連覇を狙っていた阿部詩がまさかの2回戦敗退を喫した。試合は、阿部が優勢に進めながら、相手の捨て身技に屈する形となった。この結果に、柔道界のみならず、日本中に大きな衝撃が走った。
素人目には、え？あれで負け？という感じのシーンだったので、クレームをつける専門家はいないのかと思っていたら、案の定一本のシーン以前に問題があったようだ。
偽装攻撃を見逃した審判、その真意とは？
この試合の最大のポイントは、阿部が指導2つを奪った後の場面だ。相手選手が繰り出した背負い投げは、明らかに中途半端な形であり、「偽装攻撃」と見られてもおかしくない。もし、この時点で相手選手が指導を取られていれば、試合は阿部の勝利で終わっていたはずだ。
小川直也氏が語る、阿部詩の敗因と今後の展望
バルセロナ五輪銀メダリストの小川直也氏は、この場面を「審判の誤審」と断言する。小川氏は、「詩選手への期待感があったのではないか。審判は、詩選手が綺麗な形で技を決めることを期待していたのかもしれない」と推測し、審判の判断に疑問を投げかけた。
この敗戦は、阿部にとって大きな痛手となった。しかし、小川氏は「決して力負けではない。4年後に取り返すチャンスをもらったと思って、もう一度チャレンジしてほしい」と、阿部へのエールを送った。
今回の出来事は、柔道の競技そのものだけでなく、スポーツにおける審判の役割についても改めて考えさせられる出来事となった。