エーゲ海、地中海などに浮かぶギリシャは神話や歴史で有名なロマンあふれる国ですね。ヨーロッパに位置するので日本から少し離れたところにあります。ですから、ギリシャ料理と聞くとなかなかイメージしにくい人も多いかもしれません。今回はギリシャではおなじみの料理「ムサカ」について、どのような料理でどのような食材を使うのか紹介します。また、レシピも合わせてみていきますので、気になった人はぜひ参考にしてください。
ギリシャ料理は日本人の口にも合う
ギリシャの地理的、歴史的な影響から料理に関してはイタリアやトルコ、中東の影響を色濃く受けています。とりわけ、世界三大料理のひとつであるトルコ料理に似ているといわれており、この背景にはオスマン帝国に支配されていた時期が長かったということが関係しているのでしょう。
ギリシャ料理は魚介類や野菜を多く使ったものが多く、オリーブオイルを多く使用することから地中海料理のひとつとして栄養バランスが整っているといわれています。オリーブオイルの消費量はなんと世界1位。生産量は世界で3位というほどギリシャ料理とオリーブオイルは切っても切れない関係です。
そして、日本になじみのある野菜や魚介類、乳製品といった食材を使い、シンプルで素材の味を引き出すような味付けで日本人の口に合うといわれているのです。
◆ギリシャ料理で使われる食材例
野菜・果物 | トマト、じゃがいも、ナス、ズッキーニ、玉ねぎ、きゅうりいちじく、ザクロ、ぶどう、レモン |
魚介類 | タラ、イワシ、スズキ、たらこ、いか、海老、タコ、ムール貝 |
お肉 | 豚肉、羊肉、鶏肉、ウサギ |
乳製品 | ギリシャヨーグルト、フェタチーズ |
その他 | オリーブ、ナッツ、はちみつ、ディル(ハーブ) |
ムサカはギリシャの家庭料理
ギリシャ料理のなかでも伝統的な家庭料理である「ムサカ」。ナスやじゃがいも、挽肉を使ったイタリア料理でいうところのラザニアに似ています。
ムサカはアラブから伝わったものといわれ、地中海東沿岸地域で食べられています。ギリシャのムサカの特徴は、ナスやじゃがいもとトマト味のミートソース風の挽肉を交互に乗せ、最後にベシャメルソースをタップリとかけてオーブンで焼くスタイルが基本です。
ただし、ギリシャ正教の節食の期間はお肉の代わりに野菜を挽肉代わりにしたり、パスタを代わりにしたりして作るそうです。
自宅で簡単に作れるムサカのレシピ
それでは、早速ムサカの作り方を紹介します。
◆材料(4人分)◆
じゃがいも・・・・3個
ナス・・・・・・・4本
合挽き肉・・・・・300g
玉ねぎ・・・・・・1/2個
トマト缶・・・・・1缶
牛乳・・・・・・・300ml
小麦粉・・・・・・大さじ2
バター・・・・・・25g
塩コショウ・・・・適宜
ローリエ・・・・・1枚
固形スープの素・・1個
◆作り方◆
①ナスを縦に5㎜幅に切って塩を振り5分ほど置く。5分経って水分が出てきたらキッチンペーパーで水分を拭く。
②じゃがいもの皮をむき、5ミリ幅に切って耐熱容器に入れて電子レンジに7分かける。玉ねぎはみじん切りにしておく。
③熱したフライパンにオリーブオイルを引き玉ねぎを炒め、玉ねぎに火が通ったら挽肉を入れて炒める。挽肉の色が変わったらトマト缶、ローリエ、固形スープの素を入れて軽く煮込む。
④③の水分が少なくなったら塩こしょうで味を調え、汁気がなくなるまで煮込む。
⑤弱火のお鍋にバターを入れて小麦粉を入れて茶色くならないように炒める。少しずつ牛乳を入れて小麦粉をだまにならないように伸ばしていく。牛乳を全量入れたら持ったりするまで火を通し、塩コショウで整える。
⑥耐熱容器にレンチンしたじゃがいもを敷き詰め、その上にミートソースを半量載せる。ミートソースの上にナスを敷き詰め、残りのミートソースをかける。最後にベシャメルソースを載せて、お好みでチーズを散らす。
⑦オーブン、トースターで15分ほど焼き色を付ける。
ムサカを美味しく作るポイントを紹介
水分の多い茄子は焼いたときに水っぽくならないように、しっかりと下準備することがポイントです。塩を振って余計な水分を出して拭き取る工程は、多少面倒ですが仕上がりに大きな差ができるので、なるべくしましょう。
また、ムスカは大きなお皿に入れて、後で切り分けて各々に盛り付けるので、焼いてすぐに取り分けると、中身がまだ熱くて落ち着いていないため、切り分けたときに崩れてしまいます。
取り分けるときは焼いてから30分〜1時間ほどおくと、食材がなじんで切り分けやすくなります。