「分子調理」って聞いたことありますか?
NHK番組の「あさイチ」で紹介していましたので、その概要をまとめてみました。
分子調理とは
分子調理学を研究している宮城大学の石川教授によれば、
「分子調理“学”」は,「食材→調理→料理」のプロセスにおいて,食材の性質の解明,調理中に起こる変化の解明,おいしい料理の要因の解明などを分子レベルで行う“科学”です。それに対して,「分子調理“法”」は,おいしい食材の開発,新たな調理方法の開発,おいしい料理の開発を分子レベルの原理に基づいて行う“技術”です。(こちらから引用)
一言で言えば、「分子調理とは、食材や調理のプロセスを分子レベルで捉え、新たな美味しさを追求する調理。」ということです。
分子調理器はこんなところで活躍している
分子調理の具体例として番組では「分子調理器」の活用例を紹介していました。
東京駅八重洲地下街のカレーパン専門店「ツォップ」での活用例
人気のカレーパン専門店のツォップでは、人気の秘密は分子調理器にあると明かしていました。
その味の秘密は、分子調理器を使うとカレーパンを揚げるときに余分な油分が衣の中に浸透していかないのでおいしいのだそうです。
その原理とは、衣に含まれる水を細かくすることにより油が通り抜けることができなくなるそうです。
おいしくするという目的よりも、この原理を使うことにより揚げ物に使う油のコストを20%も下げることができたというスーパーマーケットも増えているということも紹介していました。
分子調理器は楽天でも買える
この分子調理器は、なんと通販の楽天でも買えるんですね。しかも、予想以上に安い。これなら物価高の今普及するわけですよね。
分子調理で有名な神楽坂のレストラン SECRETO
また、番組では分子調理を利用しているおいしい西洋料理の三ツ星レストランも紹介していました。
このお店、例えば液体窒素を使ってトリュフバターを凍らせるという調理法を使うんですね。
このお店は完全予約制で、何と2年待ちだそうです。
分子調理学で学んだことを地元に還元している大学がある
さいたま市にある人間総合大学ヘルスフードサイエンス学科では、分子調理学を取り入れて、その成果を地元のお店に還元しています。その様子が番組で紹介されていました。
例として、糖分制限のある人でも食べられる甘い和菓子を作るというものでした。エリスリトールと言う、甘さは感じるけど体には吸収されないという甘味料を利用して、新しい商品開発に挑戦していました。
分子調理法は介護現場でも活躍
分子調理法は介護食としても利用されるようになっています。
亡くなった私の母が介護施設にお世話になっていたころは、嚥下できなくなった母親の食事メニューは元の食材の形をとどめているものはほとんどなく、どろどろになった料理は最早何を食べさせられているか分からなかったのではないでしょうか。
その点、分子調理で作られた料理は見た目固そうなものでもスプーンで柔らかくできるので良いですね。