少年野球に親はどう向き合うか
小中学校の部活動が過熱感が減少傾向にあるのと対照的に、少年野球(小学校高学年から中学生の野球クラブ)が過熱気味になっていると言えます。
本稿では、少年野球チームに入っているお子さんの親御さんが参考になればと思い、かつてあなたと同世代の子どもの親だった者として書いています。
少年野球で伸びる子はどんな子?どんな親?
私は職業(元教師、今家庭教師)上,多くの子どもたちと接してきました。また、自分自身も3人の男の子を育ててきました。
その経験から言いますと、少年野球で伸びる子は、第1に「野球がずっと好きな子」だと思います。
即ち、嫌いになった時点でおしまいです。なので、関わる大人は子どもが「野球をきらいになりそう」な状態を見抜けないといけません。
通常の子どもは、基本的に大人の言うことを聞きます(外見上そう見えなくても)ので、優秀な子ほどガマンしてしまいます。ガマンした結果、精神的にダメになったり、体を壊したり、ケガをしたりして野球をやめることになります。
ところが、「本当に好き」な子は能力的に優秀であるかどうかにかかわらず、好きなので苦しい状況をのり越えていくことができます。
理想的には、チームでの練習後黙々と自主練に励むことで乗り越えたりします。しかし、多くの子はどこかはけ口を見つけて苦しさを解消します。
それが、例えば「いじめ」だったり反抗的態度だったり、かわいいのは授業中の居眠りだったりします。
「野球が好きな子が試練を乗り越えた」実例
名前は忘れましたが、昔ある巨人軍の選手がラジオの番組で話していたことが妙に印象に残っています。
それは、彼は中学校のと練習が嫌で、あるときエスケープしたそうです。つまり。野球は好きだけどそれ以上やると自分がだめになりそうだったと言っていました。
そういう風に自己分析できたり、エスケープする勇気だったり、それだけですでに大物だったかもしれませんね。
その後彼は高校で優秀な指導者に巡り合って、中学校時代はレギュラーにもなれなかったけど、高校時代にめきめきと才能を開花させ、遂にはプロ選手になったわけです。
少年野球への父親のかかわり方
上記の例は、本人の天性のメンタルと強運が味方していたと思われます。また、関係する指導者や親も、彼のそういった特性を見抜き、大目に見ていたのかもしれません。
しかし、肝腎なことは、やはり大人が子ども自身をしっかり温かい目で見ているかどうかということに尽きるかと思います。
子どもの人生(命)のためを思って見守る眼差しです。
そうした愛情があれば折角の子どもの才能を潰してしまったり、ケガで野球人生を中学校時代で終わらせてしまうようなことはないはずです。
こういったことから、少年野球で頑張る子どもの父親は、指導者がどのような人なのかを見抜く必要があります。
もしダメだと判断したら、周囲に遠慮することなくその指導者を排除するか別のチームに移るか、はたまた別の競技などに変えるかすべきと思います。
なぜなら、お子さんの中学時代は掛け替えが効くものではないからです。
勇気ある父親の「子を守る」行動は、お子さんの心に生涯刻み込まれるはずです。