家庭教師のアルバイトをこれから始めようとするとき、教師経験のない場合はちょっと困りますね。
また、ある程度経験を積んでも、子どもの成績が思うように上がらないときは、自分の教え方に問題があるのではないかと不安になりますよね。
そんなあなたに、家庭教師経験10年以上、そして小学校教師経験約30年の私から、いくつかのアイディアを提案したいと思います。
家庭教師 教え方が下手と言われないために
まず、教え方をどうにかしたいという問題意識をもってこの記事を読んでいるあなたは、半分問題を解決をしたと言えるので、安心してください。
面と向かって「あなたの教え方は下手だ」などと言う人はまずいないでしょうが、言われないから問題ないと思いこんでいるならば、それは間違いです。
子どもの成績が上がらないとか、うまくコミュニケーションがとれない、子どもが眠ってしまうなどの問題があれば、「下手だ」と言われているのと同じだと思うべきではないでしょうか。
定期的に保護者や家庭教師センターの評価を受けよう
もちろん、すべて自分の指導力のせいにして落ち込むことはありません。もし、あなたの指導には満足しているのに上記のような状態が続くのであれば、保護者や家庭教師センターにあなたの評価を訊いてみましょう。
もちろん、保護者に不満があれば家庭教師センターにクレームや教師の交代の要求が行くでしょうか、やはり直接保護者に訊いてみるのが良いと思います。
一番は、子どもから直接聞きだせればいいのでしょうが、子どもも言いにくいでしょうから、子ども自身からの評価はやはり態度から読み取るしかないでしょう。
保護者や家庭教師センターの評価から具体的な問題点が分かれば、今後の指導法についての努力すべき点も見えてきますし、良い評価をいただければモチベーションのアップになります。
家庭教師初心者の第1日目はこうしよう
まず、保護者と30分くらい(指導時間外)の打ち合わせの時間を持ちましょう。簡単に家庭教師採用の利用目的を聞きます。必ずしも成績向上や志望校合格だけが目的とは限らないからです。また、お子さんが不登校状態だったり障がいを持っていたりする場合もあります。
そのあと、指導する場所について話し合います。なるべくリビングなど保護者がいる部屋かその隣の部屋が望ましいのです。子ども部屋は大抵が保護者から離れますから、子ども子気持ちが緩みがちになり指導上効率的ではありません。また、セクハラや虐待の疑いを持たれないためにもこれは大事なことです。
どうしても子ども部屋という場合は、ドアを開けたままで指導すとか、必ず指導時間の途中でお茶などの差し入れがてら保護者が入室するようにお願いしましょう。
第1日目は、早く子どもと打ち解けることができるよう勉強以外の話題を多くするようにしましょう。
そのうえで、使用教科書とワーク類を確認します。教科書は扱っている書店で購入するようにしたいものです。場合によっては教科書ガイドも必要でしょう。学校の宿題は中学生の場合ワーク類が主なので、できればこれも手に入れておくと指導しやすいです。書店では手に入らないので、メルカリなどで購入します。
第1日目、英語は今学校の授業でやっているページを読ませてみましょう。数学なら、宿題の問題を1題解かせてみれば学力の現状がつかめます。
授業の最後に、次回指導日までの学習について簡単な約束をして終わりにします。
家庭教師 教え方の基本形
上記のように、学校の教科書やワークに沿って教えていくのが基本です。しかし、その程度の学習が自分でできてしまうレベルの中上位の子どもには少々物足りないでしょう。
そういう場合は、保護者と話し合って子どもに合った問題集を準備すると良いでしょう。大手の家庭教師センターの場合は、そこで採用している物の中から選ぶと簡単です。
特に数学の指導は、教える側が専門でない場合は指導前に問題に眼を通しておかないと難問の題意を掴んだりするのに時間がかかり、指導時間を有効に使えないことがあります。
家庭教師による数学(算数)の指導
数学(算数)が苦手な子どもは、往々にして小学校中学年以下まで戻って教え直す必要のあることが分かる場合があります。学校や家庭での学習で置き去りにされて中学生になってしまっている子のなんて多いことでしょう!
もし、それが中3になって発覚しても焦る必要はありません。じっくり少しずつ教えていくしかないのです。高校入試合格のためには、数学の点数を上げることは諦めて、その代わり別の教科での獲得点数を増やすことに工夫した方が賢明でしょう。
だからと言って、数学(算数)の勉強を棄ててしまうわけにはいきません。なぜならば、今後の長い人生で必要な基本的な計算技術や数学の知識は身に着けさせるべきだし、高校での学習で落ちこぼれない程度の力は身につけておかねばなりません。
指導時間の最後に、次回までの宿題を出します。これは、中上位の子の場合、学校の教科書・ワーク以外の問題集の部分を指定します。下位の子どもの場合、学校の宿題と同じと予想されるものを出します。
宿題は全部やらなくて当然なのです。家庭教師をつけるようなお子さんは、家で独りで進んで勉強するようなことはまれなくらいです。
義務感で「全部やらなければ」という気持ちになっている子は、解答を丸写しなどと言う無駄なことを平気でやりがちです。まあ、それでもがんばったのですからほめてあげたうえで、より効果的な宿題の仕方を教えてあげましょう。
それは、分かるところだけ書いて、解答を見て正解なら自分で〇をつけて、不正解ならそのままにして家庭教師に見てもらう。もちろん、丸っきりわからない場合は何も書かないでおく。下位の子には、レベルB(応用・発展的)の問題は飛ばして、A(基本問題)のみ挑戦するように指示しても良いのです。
家庭教師による英語の指導
教科書を重視します。
基本パターンは、テキストの音読⇒テキストの和訳⇒テキストの暗唱⇒テキストの視写⇒テキストを見ないで書く
これを1文ずつやります。音読はすらすら読めるまで何度もやらせます。家庭教師の指導時間は、限られてますから「教師の音読⇒子どものリピート」で正しく読めるまで繰り返します。「音読⇒和訳」も同様です。暗唱は、その子のレベルに応じて行います。上位の子には、全文暗唱を目的にしますが、下位の子は主要な1,2文を覚えさせます。ライティングも同様です。
教える側のスピーキングの力にもよりますが、なるべく学習した英語は授業の中でも使うようにします。例えば、What day is it today, Taro? と子どもの名を呼んで1回の指導で一度くらいは疑問詞を用いて話しかけたいものです。
英語の宿題は、上記学習の繰り返しと学校ワーク+他問題集ということになります。これも、解答を見て書き込むなどと言うことのないように教えます。