介護施設選びは食事と排泄のケアで見る
これから施設を選ぶ方には、
少しくらいお金がかかっても、
食事と排泄のケアがしっかりしている
所を選ぶことをお勧めします。
そういうところは,お金がかかります。
仕方ありません。できる範囲の中で
お金をかけましょう。
入居する時は,残る全財産をすべて
つぎ込んでも悔いはないと思います。
入居者と家族との関係にもよりますが,
都会からなるべく遠いところのほうが
同じサービスでも割安感があります。
食事と排泄のケアがしっかりしている
かどうか確認してから入居の手続きを
しましょう。入居者の最晩年の幸福な
人生のためには,最低限欠かせないこ
とと思います。
介護施設下見のポイント
事前に下見をすることが肝心です。
どこの施設でも快く下見を受け入れてくれます。
たとえ飛び込みでもOKです。
もちろん事前に申し込んでおけば
ケママネージャーが待機して
くれるでしょうが、
突然訪問することで、
実態が見えていいのではないでしょうか。
ポイントは,
1.ケアマネージャー(または代理の方)の話
2.館内の様子
・清掃状態
・におい
3.入居者の様子
・共用スペースでの様子
・食事の様子
4.スタッフの様子
・人数
・かかわり方(入居者,訪問者)
1.ケアマネージャーの話から
ケアマネの話を聞けば,その施設
のおおよそが透けて見えます。
最近は,後々のためか期待を持た
せず厳しい状況を隠さずに話す人
も多いように思います。
また,話の様子から,その施設内
のスタッフ間の連係状態やケアマ
ネの資質・能力も推測できます。
2.館内の様子
ケアマネとの話の後,館内を回ら
せてもらいます。清掃状態でスタ
ッフの数や施設のゆとり度が分か
ります。尿の匂いがする施設はあ
まり薦められません。度合いにも
よりますが,匂いがあるというこ
とは,処置をされずに放置されて
いる入居者がいるということです
から。
3.入居者の様子
食堂や談話室などの共用スペース
での入居者の様子を見ましょう。
食事時であれば,スタッフの様子
も同時に見られます。食事を楽し
んでいるかどうかが見られます。
また,食事時間以外でも,複数の
入居者が明るい表情で会話をして
いたりTVを見ていたりしているか
,それとも全員個室にこもってい
るのかなどが分かります。
4.スタッフの様子
館内を歩くだけもスタッフが足り
ているのか不足気味なのかが分か
ります。食事時に不足を感じたら
赤信号です。食事時は介護士が足
りなければ,看護師や事務スタッ
フまで手伝いに来るのが通常です
から。
食事時は,その施設のポリシーや
スタッフの考え方がよくわかりま
す。すなわち,いつまでも自立し
た食事を保証しようと思っている
のか,それとも効率だけを考えて
いるのか。入居者の気持ちを考え
ているのか,スタッフや経営のこ
とが優先になっているのかなどが
分かります。
以下は,
私がある特養を訪問ときの感想です。
突然にも関わらず、良い対応で、
スタッフも多めで、館内もよく清掃
してあることがすぐにわかりました。
逆に、
話を聞くうちに介護食への気遣いが
どこまであるのか不安になったり、
入居者の扱いは民間の施設
と比べてもあまり変わりないのが
実態だなということを察することが
できました。
食事と排泄は人間らしく生きる最後の砦
あれこれ言っても、結局は、
人間らしく生きる最後の砦というか
食事と排泄こそが
尊重されるべきと思うのです。
基本的人権というか
生き物が最低限保証されなければならない
行為が食事と排泄ではないでしょうか。
「食べればいい。」「始末すればいい。」
という安易な考えは、悲しいです。
介護職員の働く姿を見ていて、
怒りや悲しみを覚えたり、
逆に尊敬と感謝で感動したりという
経験は、食事や排泄に関わること
が多くを占めています。
今どこの介護施設でも
人手不足状態が続いています。
なので、大変なことは分かっているので、
「食べればいい。」「始末すればいい。」
でも有り難いと思わなければと思います。
なぜなら、
「食べさせてくれてるのか。」
「始末してくれているのか。」と
思ってしまうこともあるくらいの
人手不足を感じることもあるからです。
下見のタイミング
ところで,
下見にはいつ行ったらよいでしょうか。
入居する方の状況から考えるタイミン
グについては,別の機会に譲るとして,
施設を訪問する時刻についてです。
わたしは,平日の午前11時過ぎころ
か,午後2時過ぎころを提案します。
上にも書きましたように,
ケアマネ(あるいは代理者)との話が
終わるころは,昼食(おやつ)が始ま
るころだからです。
まとめ
1.介護施設選びは必ず下見をするべし
2.なるべく高価な施設,適度な距離
3. 食事と排泄の保証が人権の基礎