高校受験で苦労するかどうかは
小学校低学年の勉強法で決まる
プロ家庭教師から中学生の実態報告
プロ家庭教師の私は,高校受験直前
の中3のお子さんを担当することが
よくあります。
実は,部活一点張りの中学校生活が
終わって,さて次は高校受験の準備
という流れでは遅いのです。
何とかどこかの高校に潜り込めれば
というのであれば,どうにかなるで
しょうが,それにしても,数学を教
えるのに小学校まで戻らなくてはな
らないお子さんのなんと多いことで
しょう。
そこで,当サイトでは現在プロ家庭
教師で,かつて小学校教師だった私
が,中学校入学以前にどういう勉強
をしておかなければならないのかを
お伝えしたいと思います。
やはり重視すべきは国語と算数
国語と算数は別々の教科と思いがち
ですが,実は両方とも思考とコミュ
ニケ―ションには欠かせない言語を
学習する教科と言えます。
国語は表現や伝達に欠かせない言語
,算数は論理的思考に欠かせない言
語と言えます。
小学校の学習内容にもプログラミ
ング学習が取り入れられるようにな
ったことからも,重要度が分かると
思います。
国語と算数の基礎ができていなけれ
ば,理科や社会の教科も理解できま
せん。
小学校低学年での勉強法
国語と算数の基礎は小学校低学年で
の勉強によって将来の力が左右され
ていきますので,最低限の力は身に
つけさせなければなりません。
1.低学年の国語の勉強法
教科書に出てくる言葉はすべて習得
させるべく勉強しましょう。
レベル1・・教科書の文章が全て音
読できる。授業でもそれが中心に
なり,宿題も毎日のように音読の
宿題が出るはずです。
レベル2・・すらすらと音読できる。
暗唱してしまう。教科書の文章は
すべて(見ないで正しく)書くこ
とができる。
レベル3・・親がしっかり音読を聞
いてあげる。間違っていれば直し
てあげる。読み方が上手なところ
をほめてあげる。(例:大きな声
で読めたね。きれいに読めたね。
すらすら読めたね。聞いていて分か
りやすかった。(人物の)気持ちが
表れていたね。等)
レベル4・・教科書以外の読み物に
目を向ける。漢字に興味があれば
漢検に挑戦。
現状は,宿題は出してもそれを評価
(チェック)す大人がいないことが
あります。「出せばいい」という安
易な教師がいます。ハンコ押せばい
いという安易な親がいます。
評価されなければ,子どもはやる気
を失います。チェックされなければ
,間違った読み方・書き方がそのま
ま見過ごされます。
いつも決まった評価(例:すらすら
読めたね。)しかされなければ,あ
きてしまい,それ以上の成長はあり
ません。
2.低学年の算数の勉強法
レベル1・・+1,-1の数を数えられる
①1,2,3~100②100,
99,98~1
レベル2・・一位数(一桁)の
計算ができる。
①具体物を使って足したり引いたり
②指や絵・図を使って足したり引いたり
③記号(数字,+,-,=)を使って,
会話で,文字で。
いきなり,③をやらせるのはナンセンス。
レベル3・・繰り上がり,繰り下が
りのある2位数以下の計算ができ
る。
①計算カード等を使って1位数同士
の計算が瞬時に(1秒程度で)で
きる。
②計算カード等を使って,繰り上が
り,繰り下がりのある2位数以下
の計算が瞬時にできる。
レベル4・・興味があれば,上の学
年で学習するものに取り組む。
(数検に挑戦)
学校の授業では,レベル2で留まる
場合が多いように思います。
レベル3になるのは,中学校入学ま
でにできていればよいのですが,
担任教師か親がやらせない限り,そ
のまま中学年に入って算数苦手の
子がはっきりしてきます。
発達段階が「瞬時に答えを出せる」
段階になってない場合もあるので,
無理強いをさせても算数嫌いを作っ
てしまいます。
よくお子さんの実態を見極めて,
根気よく「掛け算九九」同様足し算
も引き算も,やり方(繰り上げ方・
繰り下げ方)」を考えることなく
「瞬時に」答えが言えるようになる
まで上手に誘導しましょう。
それら基礎的な計算力が身につかな
いまま小学校を卒業してしまうと,
数学に苦労するようになります。
たとえ,中学数学の内容が理解でき
ても,暗算ですべきところを筆算で
やっていたのでは,問題を解く時間
がかかりすぎるので,テストでは所
定時間内にすべての問題に取り組む
ことができず,思うように点を取る
ことができないのです。
そのまま成人してしまい,大人にな
っても簡単な計算が苦手な人のなん
て多いことでしょう。
私は,家庭教師で中学生に数学を教
えるときに,ウォーミングアップと
して,足し算・引き算・九九の10
マス計算シートをやらせてから数学
の指導に入っています。
中学生でも決して「馬鹿にされた」
とは思わず取り組んでくれます。