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国語の苦手な中学生の国語勉強法

国語力は漢字力ではなくコミュニケーション能力

昔は、表現手段として漢字は大きなウェイトを占めていました。しかし、IT時代の現代では、その地位は大きく後退していると言えます。

したがって、漢字は表現手段のツールの一部に過ぎず、グローバル化した現代ではむしろコミュニケーション能力としての国語力が要請されていると言えます。

あなたのお子さんが漢字嫌い(苦手)・国語嫌い(苦手)になっているとすれば、それは漢字の書き取りを強制したことから始まったかもしれません。

でも、心配ご無用。すでに嫌いになってしまったものを無理に好きにさせることはありません。割り切って、「漢字は入試のために必要なアイテム」くらいに考えましょう。

そうすると、苦手な子にとっては、
漢字学習は書き取りを捨てて、読みと意味に徹する
これで、ずいぶん楽になります。

漢字書き取りに費やす時間の浪費のために、日本人はどれだけ損していることか。書き取り練習をしないで浮いた時間を他に活用しましょう。国語なら、読解、作文、文法、古典、詩歌等やるべきことはいくらでもあります。また、英語の方に力を入れるのもいいですね。

中学校までに覚えなければいけない漢字はおよそ2000です。小学校時代に漢字習得を十分にできなかったとすれば、中学生になっている今、「漢字が書ける」をあきらめて、漢字の読みと意味の習得に力を注ぎましょう。すると、自然に書ける漢字も増えてきます。
日本人として漢字は読めないと情報を得るのに損をします。読めれば「カナ→漢字」変換が可能になりますから、書けたのと同じことになります。

中学生の国語学習にも音読を含む読解の学習を大切に

さて、コミュニケーション能力を育てるためには、そのツールとしての言葉の習得が必須です。漢字はその「言葉」の一部である漢語(漢字熟語)の表記方法でしかありません。言葉として習得するためには、漢字熟語を音と意味を含めて憶える必要があります。

漢字熟語のほか和語にも習得すべき多くの言葉があります。たとえば、和語で書かれる接続詞や助動詞・助詞などもその意味や使い方を習得すべきです。つまり、文法の学習です。

こうした言葉の習得が、理解力(読解力)や表現力を養うための武器となります。そして、
その方法として、私は中学生でも教科書文を音読することから始めることをお奨めしたいと思います。

小学校ではある程度重視されていた音読が、中学校入学と同時に消えているように思います。それは、習得すべき古典や文法の知識が増えるので仕方ないのですが、私は音読の習慣をいきなりなくすのはどうかと考えます。

それは、国語の苦手な多くの子が、単に漢字嫌いと言うだけでなく、(文字または文章を)読むこと自体が苦手な場合が結構多いからです。これは、小学校時代の音読不足(=読み聞かせ不足=読書不足)が影響しています。教科書の文章を読ませてみて、まるで外国語の文章のようにたどたどしく読まれるとがっかりしてしまいます。

できれば、教科書文を1回は通して音読したいですね。家庭学習では、小学校のように教科書文を毎日全文音読しないまでも、重要語句を含む文や気に入った一節とか韻文くらいは毎日音読・暗唱をさせたいものです。小学校と違って音読の宿題はないと思うので、初めは先生か親が指導してほしいと思います。

なぜ音読から始める読解の学習をお奨めするのか

中学生レベルでは、黙読しかも速読が要求されてくるでしょう。「読む」と言っても、単に文字が目に飛び込んでくるだけでは理解につながりません。「速い黙読」の基礎となるのは、一語、一文、一段落毎の読み取りです。これは、小学校で基礎的な力が身についていなければいけませんが、苦手な子はまるで外国語を読むのと同じように身についていないことがあります。

国語が苦手な中学生には、一回は新しい単元の教科書文を音読させてみましょう。まず、読めない言葉と意味の分からない言葉をなくします。英語の学習と同じです。

そのうえで、段落ごとに黙読させて要点を言わせたり、あらすじや人物の心情、段落の関係や要旨、主題を言わせたりします。そうすることが、読解の基礎力を養うことになります。テストや問題集の読解問題を解くときだけでなく、毎日触れている教科書文で養うべきだと思うのです。

学校の授業では、そうした訓練がなされていると思われますが、その作業にかける時間は減ってきているうえに個別ではなく集団での学習なので効果はあまり期待できないのです。
国語苦手の中学生の国語力を伸ばすには、やはり個別に音読から始める読解の学習が必要と思います。

短期間で国語の成績を上げる中学生の勉強法

新出語句(漢字)だけでなく既出の語句も学習する

小学校で習得すべき漢字は1026字、中学校で習う漢字は1130字です。合わせて2000字以上の漢字を習得しなければなりません。

国語の苦手な中学生は、まず、中学校で習う新出漢字をその日のうちに読めるようにしましょう。学校の授業と家での音読です。

漢字の書き取り練習はしません。中学校では出さないでしょうが、宿題なら仕方ないので、最小限やります。どうせやるなら、繰り返しの書き取り練習ではなく、1回ずつ別の言葉で書き取ります。(例:「繰」の練習なら→「繰り返し。操作。操業。操る。(カナも振る)」のように)

漢字は書くことよりはるかに読めることが重要です。国語苦手中学生にとっては、新単元の教科書文には新出語句だけでなく、既出の読めない漢字や意味不明の言葉があるはずです。そちらをクリアすることのほうが大切なのです。そして、さらに学校使用のワークも授業の復習としてやる必要があります。それらの時間を考えると、漢字書き取りドリルなんてやっている暇はありません。

言語事項・文法・古典・韻文・敬語・作文などで点を増やそう

千以上の漢字を完璧に書くことや、文章読解問題で国語テストの成績をアップさせるのには時間がかかります。短期間で国語の成績を上げるには、暗記すべき量の少ない事項の勉強をすることです。

例えば、テストに作文が出題される場合は、20点近くの高い配点がされることが多いので、限られたポイントさえ押さえれば、簡単に20点近い点数を稼ぐことができます。

大抵の中学校では、入学時にこれらの事項をまとめた下記のような参考書を購入しているはずです。学校で使うことはあまりありませんが、家では毎日目を通してもらいたい本です。

国語学習が好きになるきっかけはやはり読書か

国語の成績を上げるための必須事項とは思いませんが、やはり小さいころから読書の習慣ができている子に国語の成績が悪い子はいません。

読書習慣のない中学生に、一度読み聞かせをしてみてください。意外と小さい子のように耳を傾けるものです。ただし、その子の興味を引きそうな内容の本を選ぶ必要があります。
長く読むことはありません。耳を傾けそうになかったら、すぐにやめてその辺に置いとけばいいのです。もし、聞き耳を立てるようなら初めの1節を読んで終わりにしましょう。もしかすると、「もっと読んで。」と言うか、こっそり先を自分で読み始めるかもしれません。

理想的には、その本を親も読んで、内容について親子で語り合うことができたらいいですね。

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